続・プライバシー重視のメールサービス探し


以前、プロトンメール、Tutaメール、Mailfence、Posteo、Atomic Mailについて書いたが、そこに2つほど追加したい。

Secria (米国)

2025年からサービスを開始したという新興のメールサービス。→ Secria

最先端のエンドツーエンド暗号化と量子耐性アルゴリズムに対応している、というのが売りらしい。つまり、将来的に量子コンピュータの時代が来ても対応できますよ、ということだ。ただし、現在のところグローズドソース(オープンソース化予定)かつ監査を受けていない(少なくとも現時点では情報無し)ので、実際に技術的にどうなのかは判断のしようがない。

現在はメールサービスのみを提供しているが、今後はVPN、カレンダー、連絡先機能を提供予定とのことなので、おそらく最終的にはプロトンのような総合型のプライバシーサービスを目指していくものと思われる。現時点で提供されているものは、本当にシンプルそのものといった形で、メールの送受信などごく基本的な機能しか提供されていない。無料プランで1GBのメールストレージ(ミッションのクリアで1.5GBに増量可能)、2つのメールエイリアスが使える。このメールエイリアスは少し曲者で、エイリアスを削除するとそのエイリアスで過去に送受信したメールがすべて消滅するので注意が必要だ。

使えるドメインは、現時点では@secria.meのみ。エイリアスも、xxx@secria.meで追加する仕組みになっている。ドメインを変更するという機能自体はついているから、将来的には他のドメインも追加されていくのだと思われる。

拠点が米国というのも、引っかかる人には引っかかるポイント。というのは、個人情報保護という観点では、米国よりもスイスやEU圏(特にドイツ)が強いとされているからだ。ただし、もし本当にメール内容が暗号化されサービス提供者も読むことができないならば、どこの国でもあまり関係がない、という気もする。

Aster Mail (米国)

2026年からサービスを開始したという、Secriaよりもさらに新しいメールサービス。→ Aster Mail

ホームページを見ると、まるでドイツのサービスであるかのような書かれ方をしているが、あくまで「データを保管しているサーバーがドイツにある」ということで、会社の拠点は米国にあるらしい。「ハイブリッドポスト量子暗号」なる技術で暗号化していると謳っている。つまり、これもSecriaと同様、将来的に量子コンピュータによる攻撃を受けても対応可能だという主張だ。さらに、Tutaと同様、件名も暗号化できるとのこと。件名の暗号化を明確にできると言っているのは、現時点ではTutaとAsterだけだ。

ただし、これも実際の技術的にどうなのかは不明だ。新興サービスなので、第三者機関の監査はまだ受けていないし、オープンソースではあるもののまだ十分な検証はされていない。ちなみに、Secriaの創設者はAsterのコードには問題があると批判している。(出典)

使えるドメインは@astermail.orgと@aster.cxの2つ。無料プランで追加できるメールエイリアスは5つ。メールストレージは10GB。無料プランでカスタムドメインも利用できる。なかなかに豪華というか、無料でだいたいのことができてしまう。

Atomic Mail (エストニア)

2024年開始のエストニア拠点のメールサービス。前回あまり説明しなかったので、ここで改めて紹介する。→ Atomic Mail

SecriaやAster Mailと異なり、ポスト量子暗号の話はしていなくて、その代わりにAtomic Blockchain Secured Mailなる機能があるとのこと。具体的にどんな技術なのかはわからない。また、AI機能(AIライティングアシスタント)の統合も謳っている。これも上記2つにはない機能で、メールを書くのを手伝ってくれるらしい。

ドメインは@atomicmail.io、無料プランで追加できるエイリアスは10個、メールストレージは無制限(!?)である。オープンソースではないっぽい(情報無し)が、第三者機関の監査はきちんと受けていると主張している。(出典)

どれを選ぶか

Atomic Mail、Secria、Aster Mailは、いずれも新興のサービスで、したがってまだ信頼はできないし、重要なメールを受け取るには向かない。フィルタリングもまだまだで、重要なメールがスパムフォルダに入ることもよくある。しかし、好きなアドレス(自分の名前とか)が取り放題だし、将来的にもしかしたら大手メールサービスになるかもしれないので、期待も込めてアドレスを持っておくのは全然ありだと思う。

個人的に、今気に入っているのはSecriaだ。技術的なことはとんとわからないが、この中で1番地に足がついたサービスをしようとしているように見える。というか、ほか2つのサービスの謳っている内容が出来すぎていて、逆に胡散臭く見える。「件名の暗号化」「ポスト量子暗号」「大容量のメールストレージ」「オープンソース」、、、そんな簡単に実現できるなら、プロトンやTutaがとっくにやってると思うのよ。それを「うちは出来ます」と簡単に言ってしまうのが、、なんだかなぁ、怪しい気がするなぁ。

もちろん、将来的にはAtomic MailやAster Mailのマーケティングが成功するのかもしれないけどね。SecriaもSecriaで、スマホ用アプリやVPNサービスの開発が遅れまくっているので、このまま成長できない可能性も全然ある。まあ見守る立場ということで、今後に期待しましょう。

余談

ドメインの話。@の後の文字面は、まあ実務上はなんでもいいのだが、個人的には長すぎず短すぎず、でもちょっと短めなのが好み。

これもメール選びの根拠として結構大きかったりする。

まとめ

今後に期待!以上!